HGUC 1/144 ジム・ストライカーの素組みレビューです。
発売日:2006年12月
価格 :1320円
本MSは、ハーモニー・オブ・ガンダムというプロジェクトによって設定されたMSの一機で、アーケードゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」などに登場しました。外見は他の一年戦争時代のジムとは大きく異なり、全身に施された「ウェラブル・アーマー」や、大型の近接武器「ツイン・ビーム・スピア」が特徴的なMSです。キットのナンバーは72です。
格闘戦特化のジムということで、迫力のある格闘シーンを再現できるように可動範囲は当時のHGUCとしてはかなり頑張っている方で、様々なアクションポーズをかっこよく決めることができます。
反面、色分けには課題があるキットで、シールによる色分け部分がはがれやすい場所が多いのが弱点となっています。
このレビューでは、ジム・ストライカーのアクションポーズを交えながら、シールを貼る部分にも触れていこうと思います。
【1】外観
(1)正面
グリーンベースのカラーにオレンジがアクセントの、独自のカラーリングとなっています。ただし、オレンジ部分は襟、胸のダクト、スリッパ以外の全てがシールでの色分けです。他にも、コックピットハッチ、頭部センサー、マスクと、様々な場所にシールを貼らなければならないです。
造形自体は優秀で、ウェラブル・アーマーの複雑な形状もしっかりと再現されているので、塗装するとかなり化けそうなキットです。
(2)背面
背面はグレー成分多めです。歴代のジム系と比較しても、かなりたくましいプロポーション。
バックパックや脚部のバーニア内部は色分けされていません。設定色では、グレー系統のカラーリングでした。機体設定では、ウェラブル・アーマーによる重量増加による機動力低下を補うためにバーニアを多く取り付けているそうです。こういう強引な問題解決の仕方、カッコいいですよね・・・!!!
当時のHGUCの例に漏れず、足裏のモールドもバッチリ造形されています。バーニア盛り盛りだぜ!!!
ちなみに、股関節にはアクションベース2に対応した穴があるので、そちらを使えば宙に浮いた状態で展示できます。私はアクションベース5で無理やり挟みこんで浮かせていますが・・・。
【2】アクションレビュー
(1)ツイン・ビーム・スピア
早速、メイン武装から紹介します。機体の全長を超える、迫力ある武装です。先端にはビーム・サーベルが2つ取り付けられています。
もちろん、ビーム・サーベルの柄は取り外しができるので、このように二刀流も可能です。
上半身の可動域も広く、長い武装なので両手持ちは問題なくできます。ちなみにこのキット、足首の可動が地味に優秀なので、安定して地面に立たせやすいです。
振りかぶるジム・ストライカー!!!
ビーム刃の向きは、90°まで可動させて向きを変えることができます。農耕用の鍬のように見える方も多いとか。個人的には、デスサイズヘルのツイン・ビーム・シザースに見えます。
振りかぶったポーズをとらせると、本当にデスサイズっぽいです。
(2)シールド
陸戦型ジムと似た形状のシールド。複雑なカラーリングをしていますが、こちらは全てパーツでの色分けとなっています。
先端はスパイクとなっており、伸縮ギミックが搭載されています。そんなに伸びないので、あまり違いが見られませんが・・・。
取り付け位置を変えることができるので、ポージングに合わせてシールドを逃がすことができます。
野球のバッターのようなポーズで。
「4番、指名打者、ジム・ストライカー!」
(3)100mmマシンガン
陸戦型ジムと同系のマシンガンです。グレー単色成形なので、ちょっと物足りない感じですが、フォアグリップや、ストックの可動機構を備えています。
本キットの可動域を生かせば、両手持ちも余裕。もちろん、フォアグリップを持たせたポーズも可能です。ただし、銃持ち手は右手のみしか付属しません。
(4)ビーム・サーベル
ツイン・ビーム・スピア用だけでなく、バックパックにもビーム・サーベルの柄が取り付けられています。ご覧の通り、腕の可動域が広いので、引き抜くポーズを軽々と取ることができます。
ビーム・サーベル、抜刀!!!
左手のみですが、平手も付属するため、ポージングが捗ります。
以上、HGUCジム・ストライカーのレビューでした。
総評としては、複雑な模様のウェラブル・アーマーをしっかり造形しており、ツイン・ビーム・スピアを使ったアクションポーズをバッチリとらせることができる、優秀なキットです。一方、色分けの甘さは明確な弱点です。特に問題なのが、はがれやすいところにシールが必要な点です。中でも膝のオレンジ部分は複雑な形状となっており、最もはがれやすい部分となっています。
出来にこだわるなら部分塗装をおすすめします。モールドにバッチリスミ入れをして、足りない色を補えばかなり満足のいく作品に仕上がるのではないでしょうか。最近の色分け完璧なキットもいいですが、こういうちょっと手を加えたくなるキットも、それはそれでいいものだと思います。