「地球は戦争するところじゃないでしょー!!」
ボックスアート風ポーズで。HGCC 1/144 ターンエーガンダムの素組みレビューです。
発売日:2014年4月
価格 :1540円
TV作品「∀ガンダム」において、ホワイトドールの愛称で活躍した主役MSです。パイロットは月の民ムーンレィスでありながら地球の軍ミリシャで戦った主人公、ロラン・セアックです。ガンダムシリーズの全てを破壊し、黒歴史として封印させた、設定上最強のMSとしても有名なMSです。このターンエー、とにかく見た目のクセが強いMSで、放送前から「ダサい」と言われていました。しかし、要所要所での神作画、独特で迫力のあるアクションシーンで、ファンを獲得していき、「賛否両論」くらいまでにデザインが受け入れられました。「動くとかっこいいのがターンエー」という評価が多い印象です。
ちなみに、私は∀ガンダム放送当時、小学生で∀ガンダムにドハマりしており、毎週の放送が本当に楽しみでした。月刊少年誌「コミックボンボン」で最初にデザインを見た時は「ダサ・・・」と思っていましたが、完全に放送で手のひら返しをした人間です。
さて、肝心のキットですが、色分けは非常に優秀、脚部のスラスターベーンなど、本体の造形もよくできており、1/144という小さなサイズでありながら劇中のイメージ通りのかっこいいガンプラです。ただ、独特のデザイン再現のために、可動が少し犠牲になっている印象でした。
【1】外観
(1)正面
「ホワイトドール」の愛称通り、白を中心としたシンプルな色合いです。色分けはほとんど再現されていますが、腕や腿の黒いライン、膝の赤い線などはシールです。イエローの部分はメインカメラ以外全てパーツで色分けが完了しています。
(2)背面
ターンエーの特徴の一つである、脚部のスラスターベーンはバッチリ作られています。背中のモールドも非常に細かく作られています。スミ入れしたら映えそうです。
背中のパーツは、差し替えで月光蝶発動時の展開状態にすることが可能です。月光蝶パーツは、過去にプレミアムバンダイ限定品として発売されています。
【2】アクションレビュー
では、劇中の名シーンを再現しながら、ブンドドしていきましょう!
(1)平手パーツが両手分付属
「僕は・・・ムーンレィスなんです!」
ターンエーは武器無しでの登場シーンが非常に多いガンダムでした。いきなり本気だしたら物語が終わっちゃいますからね。平手パーツだけでも色んな名シーンを再現できます。
ウォドムの手をキャッチする序盤の名シーン。私はこの辺から既にターンエーのカッコ良さの虜になっていました。武器を使うことなく敵MSを圧倒している姿が、とても新鮮でした。膝の関節は2箇所で曲がるので、正座に近いぐらいまで足を曲げることができます。
「お前らのおかげで使いやすくしてくれてありがとう!」byジョゼフ
腰の拡散メガ粒子砲を使うシーン。ストーリー終盤の一場面ですが、本当はこの時は腰のコックピットがスモーのものになっています。やったぜフラン!
シリーズ史上初の、ガンダムによる洗濯干しシーンです。干す前に、川に手を突っ込み、回転させて洗濯機にもなっていました。「∀ガンダム」の異色性を象徴するシーンです。シリーズ最強のMSを家事に使っちゃうロランくん。ターンエーは本当にいいパイロットに巡り会えたと思います。
(2)マルチパーパスサイロ
胸部のミサイル収納用コンテナです。本来はミサイルを装備するためのものでしたが、本編では牛や核ミサイルを入れていました。兵器であるガンダムが、自身の武装に生き物を入れますか普通?こういう独特な武装の使い方も、「∀ガンダム」だけの魅力だと思います。
(3)ビーム・サーベル
「そんな分からず屋は、斬ります!」
手持ちの武装が全然登場しなかったターンエーガンダム。最初から本体についていたビームサーベルは、非常に出番の多い武器でした。本編ではもっと細い形状だったので、再現度はもう一声といったところ。持ち手にはダボがあり、安定して武器を持たせることができます。
ビーム刃が二本付属するので、両手持ちも再現可能。ただ、肩アーマーの干渉がひどくて、腕はこのくらいまでしか前に出せません。
劇場版のウォドム斬り。ターンエーのかっこいいシーンって、ビームサーベルによる戦いがかなり多い印象です。
「環境を考えろー!!」
スエッソンの乗るマヒローとの戦闘シーン。マヒローの背後から振り返り、突き刺す!
この回のターンエー、マジでかっこよかったです。小学生の時から今まで、ずっと好きなワンシーンです。
(3)ビーム・ライフル
アイキャッチ風ポーズ。こちらも他のガンダムシリーズとは一線を画す独特なデザイン。赤い部分はシールで色分けです。未知の技術により、水中でもビームの威力が減衰しないというチート武装です。「未知の技術」っている便利な設定のせいで、ターンエーの性能は無限に盛れますね。
正面から見ると、めっちゃ薄いです。
ライフル上部にもグリップがあり、初登場時のワンシーンを再現できます。ただ、持ち手にダボがあるので、ひっかかって持たせにくいです。
高出力モードで。劇中では山をも吹き飛ばす火力を見せてくれましたが、全然フルパワーではなかったとのことです。そのせいで、最高出力ならコロニーレーザー並みの威力を出せると主張するガノタもいるとか。ターンエーならそれくらいやれるでしょって思ってしまう自分が怖い。
(4)シールド
ガンダム系というよりは、ゲルググ系っぽいシールド。ビームライフルとともに、原作通り背面にマウントできます。
腕に取り付けることも可能。裏側にもモールドがびっしり入ってます。こうやってみると、手の平のモールドもよく作りこまれていますね。
(5)コア・ファイター
なんと、コックピットが変形したコアファイターが付属します。白単色成形で、スタンドに取り付けるための直線型の穴があります。普通の3mm穴がよかったですが、付属しているだけでもいいかなって感じです。オマケみたいなものですね。
以上、HGCCターンエーガンダムのレビューでした。
「人の英知が生み出したものなら・・・人を救ってみせろー!!」
ロランくんは名言製造機ですね。
HGらしく劇中のプロポーションや色分けの再現率が高く、お手軽にターンエーガンダムを楽しめるガンプラでした。原作で象徴的なシーンの多くが素手だったので、両手分の平手パーツが細かいモールドで造形されているのが嬉しい点でした。差し替えでビームライフルの高出力形態も再現できますし、プレイバリューの高いキットです。
ただ、可動に関してはもの足りない部分がありました。スラスターベーンをはじめとする下半身に関しては素晴らしいのですが、上半身に関しては腕が真上まで上がらないなど、ポージングに困る場面が多かったです。原作のターンエーのアクションが凄すぎたので、原作再現のために求めるレベルが高すぎるだけなのかもしれませんが。
総評として、課題点はあるものの、個人的には満足のガンプラでした。ターンXやカプル、ゴールドスモーなど、まだまだHG化されていないキットがあるので、一緒に飾れるキットの充実を期待しています。
∀ガンダムはデザインが個性的過ぎて新作キットも少なく、中々盛り上がらない作品です。しかし!ガンダムによる洗濯など他の作品では考えられない展開、外交関係の政治的な駆け引き、セル画ガンダム全盛期の神作画、ファッションセンスが素敵なハリー大尉や絶好調な御大将といったクセの強い魅力的な登場人物、その他様々な魅力があります。未視聴の方も、是非とも見ていただきたいガンダム作品です。
「∀はとてもいい作品だぞー!!みんな、早く戻ってこーい!!」